ウエストのくびれが左右で違う人は要注意!姿勢の悪さや骨盤の歪みだけでなく“隠れ側弯症”の可能性も
投稿日:2025年10月26日 / 最終更新日:2025年10月27日
目次
容姿の悩みやコンプレックスに隠れた“体のサイン”あなたのカラダは「側弯症」かもしれません。
ウエストのくびれや体のラインの左右差に悩む女性は少なくありません。
特に20代は、仕事や恋愛、SNSなどで「見られる自分」を意識する時期でもあり、鏡に映るわずかな非対称さに敏感になることがあります。
✅写真を撮ると、いつも片方のウエストが深く見える
✅立ち姿を鏡で見ると、なんとなく体が傾いて見える
✅左右でくびれの高さが違って、服がきれいに見えない
✅下半身太りや骨盤のゆがみだと思って、骨盤矯正に通った
✅スカートやパンツを履いたとき、腰回りのラインが左右で異なる
✅健康診断や学校健診で“側弯症の疑いあり”と指摘されたことがある
こうした“容姿の違和感”は、側弯症によって生じている可能性があります。
つまり、見た目の問題のようでいて、体の構造的な問題が背景にあるケースも多いのです。
「くびれが左右で違う」=見た目だけの問題ではない。
ウエストのくびれの左右差は、単に脂肪の付き方や筋肉の使い方の違いではありません。
背骨や肋骨、骨盤の位置関係によって、くびれの形が変わって見えることがあります。
例えば、思春期特発性側弯症があると、
・肋骨の回旋によって片方のウエストラインが持ち上がる
・骨盤の傾きで左右のウエストに差が出る
・腰の筋肉の張りが左右で異なる
といった変化が生じます。
つまり、**ウエストラインの非対称さは、背骨や骨盤の歪みを反映している「サイン」**でもあるのです。
意外と見落とされやすい思春期特発性側弯症|なぜ見落とされやすいのか?
思春期特発性側弯症は、実は痛みや自覚症状がほとんどないのが特徴です。
そのため、本人も家族も背骨が曲がっていることに気づかないまま成長期を終えてしまうケースが多くあります。
<痛みが出にくい>
多くの人は「病気=痛み」と考えますが、思春期特発性側弯症の多くは痛みを伴いません。
背骨がゆるやかに捻れながら曲がるため、初期では体の不調を感じにくく、本人も親も「姿勢が悪いだけ」と思い込みやすいのです。
<外見上の変化が目立ちにくい>
カーブが軽度の場合、服の上からは分かりにくく、日常の中では「片方の肩が少し下がっている」「スカートがずれる」程度。
本人も親も「体型の個性」や「成長の過程」だと受け取ってしまうことがあります。
<学校健診の限界>
日本では小・中・高校で「側弯症検診」が行われていますが、視診(背中を前にかがめるテスト)だけでは軽度のカーブを見逃すことがあります。
また、検査時期や姿勢によっては異常が目立たない場合もあり、見落としや再検査の対象にならないまま成長が終わってしまうことも。
<成長スピードの速さ>
思春期は身長が急激に伸びる時期。
特に女子では10〜14歳頃に骨の成長が一気に進むため、短期間でカーブが進行しても気づく間がないことがあります。
<社会的・心理的な要因>
思春期の時期は「体の変化」を話題にしづらく、姿勢や背中を人に見せることを避ける傾向もあります。
そのため、「背中が少し変?」と感じても相談しにくいという背景もあります。
まとめると思春期特発性側弯症は、
・痛みがない
・姿勢が悪いだけとの思い込み
・検診で見逃されやすい
・検診後に短期間でカーブが進行する
このような要因で気づかれにくい病気です。
そのため、20代や30代になってから初めて「側弯症だった」と知る人が少なくありません。
整体や骨盤矯正、ヨガ、ピラティスで、実は側弯症を悪化させる場合があることをご存じでしょうか?
美容目的で整体や骨盤矯正、ヨガやピラティスに通う女性は多いです。
ですが側弯症を伴う場合、一般的な整体や骨盤矯正、左右対称のストレッチやエクササイズはかえってアンバランスを助長してしまいます。
なぜ一般的な整体・左右対称エクササイズが逆効果になるのか?
その理由を解説します。
<側弯症は「ねじれ」を伴う三次元変形だから>
側弯は単なる左右差ではなく、「前後・左右・回旋(ねじれ)」が同時に起きています。
一般的な左右対称のストレッチでは、この複雑な立体変形を補正できず、むしろ回旋を強めてしまうことがあります。
<正しい姿勢が人によって異なるため>
側弯症では、背骨・骨盤・肋骨・肩の位置関係が一人ひとり異なります。
一般的な整体の「まっすぐに整える」「左右対称に戻す」という施術は、その人にとっての**代償バランス(身体が保っている均衡)**を崩してしまうことがあります。
<左右対称のエクササイズやストレッチが非対称性を強調する>
弱い側と強い側、縮んだ筋と伸びた筋が混在しているため、均等に動かすことで弱い側をさらに引き伸ばし、強い側をさらに短縮させる場合があります。
<骨盤矯正で骨格のバランスを無理に整えると代償機能が崩れる>
側弯症の体は、重力下でバランスを取るために独自の補正姿勢を作っています。
それを外力で強制的に「左右対称」に戻すと、かえって筋肉や靭帯にストレスが集中します。
<捻れ方向を無視した施術で関節や椎間板に負担>
側弯による脊柱の回旋方向を理解せずに均等な刺激を与えると、捻れた椎骨に**不自然な圧力や剪断力(ずれの力)**がかかることがあります。
<身体の見た目の左右差を整える=機能を壊すリスク>
見た目を対称にすることが、機能的に良いとは限りません。
側弯症の場合、「非対称でいること」自体が身体を守る戦略のこともあります。
まとめると、側弯症の身体は、「非対称な状態でバランスを保っている」特別な構造です。
一般的な“左右対称の矯正や運動”は、その精密なバランスを崩すリスクがあるため、側弯症に理解のある専門家の指導が重要です。
コンプレックスを“美しさのきっかけ”に変えるために!隠れ側弯症の正しいケア(シュロス法)
容姿の悩みは、恥ずかしいことでも間違いでもありません。
むしろ、自分の身体に関心を持てることは、健康の第一歩です。
大切なのは身体の構造を理解し、正しく整えること。
そのために有効なのが、**側弯症専門の運動療法(シュロス法・シュロスベストプラクティス)**です。
シュロス法およびシュロスベストプラクティスは、**国際的な側弯症学会(SOSORT)**で推奨される理学療法の一つです。
世界各国(ドイツ、アメリカ、カナダ、日本など)で臨床研究が報告されており、側弯の進行抑制・姿勢改善・呼吸機能改善などにおける有効性が示されています。
シュロスベストプラクティスは、なんとなく良さそうな体操ではなく、国際的なエビデンスに基づく、安全で科学的な側弯症エクササイズです。
20代で発覚する隠れ側弯症の方へ向けた筆者からのメッセージ
もしあなたが、ウエストの左右差や背中のねじれに気づいたとき、
「姿勢が悪いせい」「努力不足かも」と自分を責めてしまったなら、どうか安心してください。
思春期特発性側弯症は、生活習慣や姿勢のクセが原因ではありません。
成長期に自然に起こる骨格の変化の一つであり、あなたのせいではないのです。
私は柔道整復師であり、シュロスベストプラクティスセラピストとして多くの側弯症の方のケアに携わってきました。
シュロスベストプラクティス®は、エビデンス(科学的根拠)に基づいた運動療法で、背骨のカーブやねじれに合わせた安全で個別的なアプローチが可能です。
正しく取り組むことで、
・側弯症の進行抑制や改善
・背中やウエストラインの左右差の軽減
・クビレなどボディラインのバランス改善
といった効果が期待でき、長年のコンプレックス解消につながる可能性があります。
20代で発覚する側弯症は珍しくなく、多くの方が長い間「隠れ側弯症」として過ごしています。
大切なのは、無理に姿勢をまっすぐにすることではなく、自分の体の特徴を理解し、正しいケアで身体と付き合うことです。
ウエストラインの左右差などが気になり、側弯症の可能性があるかも?と思ったときは、どうぞお気軽にご相談ください。
専門家として、一人ひとりの体に合わせた安全なケア方法をご提案いたします。
著者プロフィール 伊集院 博
兵庫県神戸市生まれ。千葉県千葉市在住。2007年に千葉市中央区にて伊集院鍼灸整骨院を開業。
現在は千葉県で2店舗の鍼灸整骨院の代表を務め、院内にマシンピラティススタジオの併設、保育士在籍の託児所を併設するなど、独自のスタイルで運営している。
著書『ゴールデンライン 美しい姿勢をつくる44のレッスン』姿勢を改善し、あなたも理想の⾃分へ!をスローガンに掲げ、姿勢に問題を抱える女性を年間1,000人以上サポートしている。
主な資格と実績
- 伊集院鍼灸整骨院グループ代表
- 柔道整復師(国家資格)
- 鍼灸師(国家資格)
- ケアマネージャー
- シュロスベストプラクティスⓇ
(側弯症運動療法の資格) - 側弯症ピラティスインストラクター
- BESJ認定ピラティストレーナー
- BTA認定バレエダンサートレーナー
- ハワイ大学解剖実習終了
- 治療家大學技術講師就任
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